COVID-19のせいでなかなか山にも入れず、県境も跨げずともどかしい期間でしたが、それでも中部大学で学生と先生たちは頑張ってくれています。
一方で、やはりライチョウを中央アルプスで飼いたい人たちは居るようで。
中央アルプスでライチョウが生息できるのは千畳敷カール周辺の限られた地域のみで、そこに移植したとして、そこで檻で囲ったとして、ライチョウを保護したことにはならないと考えています。誰も檻を見回らなくなったら? キャパシティに対して増えすぎてしまったら? 増えたライチョウが高山植物に高い採食圧をかけてしまったら? 同じ親から産まれた子同士で繁殖しても弱い子供しか産まれないって聞いたけど?
そういう素人考えでも色々思いつくのにさらに専門的に突っ込んでくださった論文を先日ご紹介しました。もいちど貼ります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hozen/advpub/0/advpub_2031/_article/-char/ja/
日本生態学会の発行物です。ここに載っているということは、みんなちょっと考えましょうよ。
正直、ああ、良かったと思いました。真剣に考えてくださっている方たちがいたんだと、とても勇気づけられました。生態系というものを、そして野生生物保護を真剣に考えてくださっている先生たちはあのプロジェクトには近づかないでしょう。
本当にしなければいけないのは、私達がライフスタイルを見直し、企業が持続可能な経営に切り替えていくことです。そのためにどうするかを考えたいから「保護研究会」なのです。
ライチョウの生息地、、、北アルプスや南アルプスの深部に入ってライチョウが本当は何を欲しているかを探るのはとても大変です。アクセスのいいところでばかりライチョウを見てわかった気になってしまうのですが。山小屋のご支援で、なんとか山奥のライチョウを研究できています。
ライチョウをいかに保護したらいいのか一生懸命考えること自体が私達が地球と「うまくやっていく」ことになるのだと訴えるために、こうした地道な研究を進め、ライチョウについて知ってもらいたいと思います。