予防原則

あと1mで越水

大学では林学を学んでいましたが、とりわけ砂防関連の授業は印象的でした。各地の砂防堰堤や堤防を見学に行った中で「脱ダム宣言だとか、300年に一度の洪水の為の堤防なんか要らないと言われるけれど、ひとたび大水が出たならこれが何万人もの人の命を守るんです」、と。現場の方が仰っていたのが印象的でした。

今回、荒川も利根川も溢れなかったのは、八ッ場ダムのお陰だけでもないでしょう。数多くの砂防堰堤が土砂や流木を上流にとどめて水だけを下流に速やかに流してくれたのです。江戸時代の人たちが、荒川放水路を造ってくれたから、都心部は守られたのです。沢山の人達の100年の努力が無かったら、私も生きてはいられませんでした。なにしろ、利根川、荒川、多摩川が決壊すれば、関東平野のどこにも逃げ場はないんです。

予防、というのは安全の基本です。山でも「危険に出会ったら」より「危険に遭わない為に」多くの勉強をします。

今後、温暖化の進行に伴い、このようなスーパー台風がやってくる頻度は高くなると予測されています。「温暖化仮説は嘘だ」と賢しげに言って何もせず、温暖化の影響が出始めて、それから対策したのでは持続可能な発展など望めもしないでしょう。

予防することです。

コンビニでマイバッグを取り出すのが恥ずかしい? そんなこと言ってる場合ですか。できることから、コツコツと、です。

2019年10月14日 | カテゴリー : エコライフ | 投稿者 : 黒五