ライチョウの居場所

10月から毎週出張という気張った生活してましたら、あっという間に12月になってました。

最近の周りのホットな話題は「なぜ若手が辞めるのか」です。私の個人的な見解としては、まず8割方の辞める理由は人間関係が原因です。上司や先輩が無視している(気がする)、理不尽な事を言う等。それから残り2割は仕事が合わない(ミスマッチ)、成長が感じられない雑用ばかりに感じる等。より良い給与と待遇が見込める会社があれば、ふっとそっちに行ってしまいます。

これらを総合的に私は「居場所」が無いから辞めると言ってます。

動物はご飯があって、寝るとこがあって、水が飲めれば取りあえずそこに留まります。そこを「居場所」と感じるからです。ライチョウの場合は、採食ができる草原、巣が作れて且つ隠れることのできる被覆(灌木)があれば、あとは分厚い羽毛によって熱中症にならない程度の低温であればよい。つまり、日本ならば高山です。アイスランドならどこでも条件を満たします。

草原が無ければ高山でもダメですし、気温が高すぎれば草原でもダメです。そこは、他の生物の居場所であって、ライチョウの居場所ではない。だから、もし環境が変化してライチョウの居場所が無くなれば、ライチョウは他のところへ行きます。ライチョウが少なくなっているとしたら、それは日本の高山が他の生物の居場所に変わりつつあり、ライチョウの居場所が消えているということです。シカやサルが高山に来るのは、本質的にはそういうことです。シカやサルが高山に来るからライチョウが減るのではなく、ライチョウの居場所がシカやサルが居られる場所に変容したからなのです。

そんなわけで。ライチョウの保護とは、すなわちライチョウの居場所を確保する事なのです。そのためには、ライチョウが居られる環境って何? と考えないといけません。

若手が辞めそうだから、おまえ話聞いてこいよ、と上司に指示された先輩が飲み屋に連れてったところで慰留は難しいですね? だって、上司や先輩が新人の居場所を作ってあげられていないのですから。

若手を変えようとしても無理です。彼等におじさんたちの価値観や理屈を理解する経験も余裕もありません。多様な価値観、経験をお持ちのおじさんが居場所を作ってあげなければ。そういう使命感を持つおじさんが増えて欲しいと願ってます(ということは、優しいおじさんも保護しなきゃいけないのです!)。

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