梅雨明け十日

はぁはぁ

朝から梅を干していました。
昨年から始めましたが、梅仕事をしていると梅雨明けに梅を干さなきゃと、天気に敏感になりますね。

梅雨のライチョウ雌成鳥は寒さから雛を守るという「抱雛」という行動をとりますが、、、
梅雨が明ければ、夜以外は抱雛も必要なくなり(もちろん、高山ですから寒いときもありますよ。そういう時は昼でも抱雛します)、むしろ暑さとの戦いになります。

まず、ライチョウさんは地面付近にいます。ベビーカーに乗せた子が暑がるのと同じです。地面の照り返しって暑いんです。
そして、鳥は汗腺がないので汗かきません。そこで、焼いたハマグリみたいにくちばしをパカーッと開いて、呼気によって放熱します。これをパンティングといいます。

カラスも口開けてだるそうにしてますね…彼らは黒いですし。余計暑いかもしれません。

ライチョウの場合、夏仕様とはいえ分厚い羽毛もあります。もともと周北極地域の鳥ですから、彼らにしてみれば日本の高山も熱帯の密林のようなものかもしれません。

ライチョウに出会ったら

じっと見守って!

幸運にもライチョウに出会ったらどうすればよいでしょう。

ライチョウを間近に観察したければ、まずはあなたは石のように動かないことです。音を立てないよう、じっとしていましょう。
登山道から外れてはいけませんし、餌をあげておびき寄せるようなことは絶対にしてはいけません。

ライチョウが移動している場合は、大きく大きく回り込むように、ゆっくりと移動してください。
運が良ければ、彼らはあなたの足元を通り過ぎてくれるかもしれません!

けして彼らに触れてはいけません。
彼らは今のところ、私たちにナチュラルな姿を見せてくれますが、私たちの誰かが彼らを追いかけまわしたり、驚かせるようなことをすれば、彼らは私たちから逃げ回るようになってしまうでしょう。

ライチョウに出会うには?

ライチョウの話をしていると、「見てみたい」という方にも遭遇します。
ライチョウに会うにはどうすればいいんでしょう?

確実に、どうしても見たい! というのであれば、生息密度の高い立山室堂に行くのがおすすめです。うじゃうじゃいます。

その他の山では会えたり会えなかったり。
ただ、こういうところに差し掛かったらもしかしたら会えるかもしれません。


①なだらかな草原(黒部五郎のカール、雲ノ平等)
②狭い稜線で草原があるところ

なんでかというと、基本的に草原で採食をしているからです。
なだらかで広い草原が広がる地域は、室堂のように生息密度が高いので、遭遇率高めです。
また、稜線が狭いところは、生息密度は低いものの他に行きようがないので、登山道で目撃しやすいです。ええ、こんな稜線で? ってところで遭ったりします。

逆にこんなところはあんまりいません。
①一面ハイマツの海
②広い岩礫地
居ないわけではないんですけど。
基本的に食べる物無いですからね。

たまに、ライチョウが生息していない山(絶滅したか、生息密度の低い山)に他の山から移植したらどうかという意見が聞かれますが、食べモノがないところに放鳥しても死んじゃいます。

富士山とか絶対無理ですからね

チングルマのフェノロジー

この動画は特別な許可を得て撮影されました。

桜前線をご存じでしょうか。
高山にもサクラと同じバラ科の植物、チングルマが存在します。
雪が溶けてから、どれだけ温度を蓄積したら開花するかなぁというのがわかれば、雪の溶けた時期でも「チングルマの開花前線をたどれば雪の積もり方がわかる」というロマンあふれる研究をしてました。
雪がある時期には山に入れないけど、チングルマを見れば植物目線の雪の状況がわかるよね、という趣旨です。

難しいことはともかく。
おおーーっという感じ、しませんか?

ライチョウのまぶた2

動画バージョンあげておきます。
登山道から、コンパクトカメラでここまで寄れるのに、ご本人はこれだけリラックスされておられるという、神の鳥の貫禄です。

鳥なので視界の範囲はとても広いと思われますが。
サラリーマンに免疫があるのかもしれません。

ニホンオオカミのこと

台風も去ったということで、地区の体協のハイキングに参加してきました。場所は奥秩父の三峰神社。

神社の表参道なので、入り口には狛犬か狐がいるもんですが、コイツは牙、爪、地面に巻いた尻尾、浮き出たアバラ。

オオカミなんですね。ここは、オオカミ信仰の神社のようです。

ニホンオオカミはかつて日本で普通に見られた野生生物ですが、様々な理由(狂犬病拡大や、家畜被害の為の駆除。他にも理由はあったかも知れません)から、狩られた結果絶滅しました。

決定的なことは猟銃の普及で、これが彼らを追い詰めました。日本で明確に、直接的に日本人が滅ぼした大型哺乳類です。

個々の議論は専門家に譲るとして、ヒトは他生物を滅ぼせる種だということは肝に銘じておきたいものです。

もちろん野生生物達と様々な軋轢はありますが、科学的に彼らを理解することが、共生への手がかりになるでしょう。

滝の涼しい風でリフレッシュ!

ビッと引っ張るマイバッグ

スーパーのレジで「フクロイラナイデス」という呪文を唱えるようになって、結構経ちます。
先日「フクロイラナイデス」と言いながら、バッグを取り出して広げていたらレジのおばちゃんが「あ、それ、朝のテレビでやってた。一番売れてるんだって!」「へ? そうなの?」

商品名Shupatto たたむのめんどくさくてマイバッグに挫折していた私を助けてくれた、商品です。
ビッと引っ張ると帯になって、クルクルすれば小さくなります。

プラスチックごみが問題になっています。
なぜ、というと一言で言えば中国がまじめに環境問題に取り組みだした結果です。
日本も、欧州も、ゴミを中国に輸出していました。

中国は、例えば低質な古紙を買い、紙を作り、その古紙から出てきたプラスチックを焼却し、あるいはプラスチックごみを買い取り、リサイクルできる部分はリサイクルし、できない部分は焼却し。。。と世界のリサイクル(カスケード利用)の受け皿となり、最終的に使えないものを処分してきました。

言ってみれば、世界の最終処分場でもあったわけです。
結果、中国の大気汚染は深刻化します。そこで、これではいけない、と、中国はゴミの輸入を辞めることにしました。
そして、日本の産廃焼却場はプラスチックごみであふれかえることになりました。

。。。私たちは、温暖化や地球環境の問題をどうのこうのと言いながら、プラスチックの利用を減らすことをせずに、最後の処分を中国に任せて、見ないふりをしてたんじゃないかなと思います。

マイバッグで減らせるプラスチックはわずかですが、みんながそうすればずいぶんな量になります。
リデュース(減量)、リユース(再利用)、リサイクル(再生) 一番目のリデュースが一番大事だというのに、リサイクルに偏重していたのは、それは儲けの構造ができやすいからかもしれませんし、消費者もそれに乗って「リサイクルすればいいんでしょう? 分別すればいいんでしょう?」と思っていたからかもしれません。

プラスチックの焼却は、温暖化とも無縁ではありません。プラスチックの利用を減らすことがライチョウの保護につながるのだと思います。

身近なところから、やりやすいことから始めましょう。

ライチョウのまぶた

見張りオスで、見張り中だと思うんですけどね。居眠り。
登山道から怪しい人が写真バシャバシャ撮ってるんですけどね。居眠り。
平和で何よりです。

まぶたが下側から上がってきてます。
目の上の赤いのは肉冠ですね。

ニセライチョウ再び

あ、ライチョウだ! って、走っていったらコイツだった…というのは、研究者も同じで。
こちらはニセライチョウことキジバトが雪渓の上で虫を食べている様子です。
鳥に限った話ではないですが、生物にとってたんぱく質は大事です。
血肉となり、鳥はさらに、羽毛、うろこ、くちばしもあるのです。
虫は彼らにとって貴重なたんぱく源となります。
なので、キジバトだけでなく、ライチョウも全く同じように雪渓の上で虫を食べます。

なんで、雪渓の上に虫が落ちているかというと、虫は温度が下がると動けなくなるんですね…
雪のないところで暖まって風に乗って降りた先が雪の上だと、そこで積みます。
そして、こいつらに食われます。

高山の鳥たちにとっては、雪も大事な資源なんですね。。。

ニセライチョウ

あ! ライチョウ!

と、山小屋でお客様が指さすと、その先にいるのはたいていコイツ。

ニセライチョウこと、キジバトさんです。
街中で見かけるのはカワラバトさん(ドバト)です。

なんだハトかと残念がらずに、じっくり観察してみましょう。
羽の色がキレイですよね。

山では普通に見かけます。
デーデーッポポーみたいな鳴き声が特徴的です。

高山の鳥~と言えば、ライチョウ、イワヒバリ、カヤクグリ、ホシガラスが代表選手ですが、亜高山帯あたりではキジバト、ウソ、ウグイス、ハシボソガラスもよくお見掛けします。